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タフな状況下でオンボーディングに向き合い続けられるか

カスタマーサクセスという言葉は、SaaS界隈では一般的なものとなりました。
SaaS界隈以外でも、「カスタマーサクセス」をお題目として唱える企業は増えたと思います。
 
そんな中で、どれだけ本気でかつ健全にカスタマーサクセスに取り組んでいるかの試金石の一つが
「オンボーディングにどれだけ投資しているか」、特に「タフな状況下でオンボーディングに向き合い続けられるか」だと思います。
 

オンボーディングとは

オンボーディングとは、契約初期の顧客をサービスが利用できる状態/サクセスした状態まで持っていく一連のプロセスを指します。
 
由来としては、
元々「船や飛行機に乗る」という意味だった「オンボーディング」という言葉が、
新入社員研修に転じて使われるようになり、
さらにカスタマーサクセスに転用されて、上記のような意味合いになったようです。
 

「オンボーディングが重要」は共通認識

「オンボーディング」は、カスタマーサクセスにおける重要概念の一つとして認識されています。
 
なぜ、オンボーディングが重要なのか?
 
それはチャーン(解約)を防ぎ、その後のネガティブチャーン(アップセル・クロスセル)の種となるからです。
例えば、業務システムで最初の導入がスムーズに行った方が辞めにくいしアップセルもしやすいというのは、想像に難くないかと思います。
 
カスタマーサクセスの教科書として知られる通称「青本」でも、
その第7原則として「タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう」と、
オンボーディングの重要性を説いています。
 
カスタマーサクセスという名の組織であれば、何かしらのオンボーディング機能は当然持っているはずかと思います。
 

なのに、注力度合いはちょっと差が出る

 
ただ、オンボーディングにどれだけ投資ができているか/こだわっているかは、会社によって結構違う気がします。
 
単にハイタッチ/ロータッチ/テックタッチという違いの話ではなく、
「どれだけオンボーディングに真剣に向き合っているか」というのが、会社によって違う気がするのです。
 
皆、最初は「オンボーディングが大切」と言うのです。
 
でも例えば、
  • 契約数が目標にちょっと届かない
  • クロスセル商材が生まれた
  • 大口顧客が解約になりそう
  • 一度うまく行ったオンボーディングプロセスが、ビジネス拡大などの事情でうまく成立しなくなってきた
みたいなとき、最初と同じ質と量のリソースを投入してオンボーディングに取り組み続けられる会社というのは、意外に多くない気がしています。
 
もっと具体的に言うと「今期の売上足りないから、CSMがオンボーディングの優先順位下げて、クロスセルばっかりしてる」みたいなこと、一定成熟した企業だったらある気がします。
 
こういうことが発生する理由はたぶん単純で、オンボーディングは売上に効くまでのリードタイムが長いから。
例えば、一年契約のビジネスやってたら、オンボーディング失敗しても痛い目を見るのは最短で一年後です。しかもそれまでにリカバリのチャンスはあります。
 
今この瞬間オンボーディングがうまくいかなくても、売上や契約数が動き始めるまではタイムラグがある。
だからこそ、オンボーディングが後回しになってしまう瞬間、あると思います。 
 

タフな状況下でオンボーディングに向き合い続けられるか

 
成長企業は(特に外部の資本入れていると)、成長への強烈なプレッシャーと戦っています。
なので、短期的に成果が出る施策に注力がされることを、一概に悪というつもりは全くありません。
 
ただ、例えば
  • 「青臭いカスタマーサクセスをやれているか」
  • 「中長期的に重要なことをちゃんとやれているか」
みたいな観点でどれだけ本気で取り組んでいるかを見る時、
オンボーディングという時間がかかる取り組みにどれだけ向き合えているかというのは一つの試金石になる気がします。