カスタマーサクセスに求められる3つの人材像 「肉食」「草食」「メガネ君」
カスタマーサクセスの人材像・能力が議論されている
SaaS界隈を中心に「カスタマーサクセス」という組織が日本でも定着してきました。
これに伴い「カスタマーサクセスに求められる人材像」「CSMに求められる能力」なんてのが議論されることが増えてきました。
例えば、この記事だとカスタマーサクセスマネージャーが持つべき12の能力とか。
この記事だと8つの能力とか。
より具体的に、後者の記事だと以下が掲げられています。
1. 分析思考(Analytical Awareness)2. 積極性(Proactiveness)3. 共感性(Empathy)4. 粘り強さと情熱(Tenacity & Enthusiasm)5. チームプレイ(Being a Team Player)6. コミュニケーションスキル(Communication Skills)7. 高度な専門性(Domain Expertise)8. 戦略思考(Strategic Mindset)
「そりゃそうだけど、そんなヤツいねぇよ」と。
実際、カスタマーサクセスの人材像・能力というのは、まだ結構探り探りのフェーズなのかなと思います。
そんな中で、自分なりになるべくシンプルに考えると、
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草食
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肉食
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メガネ君
という3種類の人材の組み合わせでチーム作るのがいいんじゃないかな、と思っています。
肉食
カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いで最も強調されるポイントの一つは「プロアクティブ」です。
すなわち、カスタマーサクセスは顧客を待っているだけでなく、自ら先手を打って顧客を成功に導くアクションが求められる。
特に、従量の概念やアップセル・クロスセルがある商材であれば、カスタマーサクセスにセールス要素が強く求められることは容易にご想像いただけると思います。
他方で、カスタマーサクセスの流行の流れの中で「元々あったサポート組織」を母体にカスタマーサクセス部隊を立ち上げるケースも少なくないと思います。
でも、元々サポートにいる人って、セールスでガツガツやりたいって人あんまりいなくないですか?
そういう人に「カスタマーサクセスじゃい!」「プロアクティブじゃい!」「LTV!」とか強制して、ガツガツさせようとしても、良さを失わせてしまう気がするのです。
草食
じゃあ、旧サポート系の草食系人材は要らないかというと、そんなことはない。
そんな背景で、カスタマーサクセスという組織名でありながらも、リアクティブなサポート機能を残している組織は多いはずです。
で、セールス出身のバリバリ肉食系は、リアクティブ機能を意外とできない。
飽きちゃうと思うし、安定して高品質を出せない、というかそもそもやりたくないと思う。
そういったわけで、守りを固めるための人材として、現状としてこれまでのサポート機能にいたような「草食系」も、これまたカスタマーサクセスには必要。
メガネ君
上記の通りの「肉食」と「草食」だけを揃えると何が起こるか・・・
とっ散らかる。
容易に想像できます。
KPIや方針・オペレーションを統制する人は必要だし、カスタマーサクセスは、ヘルススコアはじめとしたハードデータに基づくべきであることは、カスタマーサクセスの教科書「青本」その他各所で強調されているところです。
「肉食」「草食」はデータ分析が苦手な人が多いですし、
逆にこのメガネ君はセールスやサポートが得意とは限らないです。
そういうわけで、データ志向・戦略志向のために、カスタマーサクセスには、戦略性やデータ分析に長けた「メガネ君」が求められます。
カスタマーサクセスの人材要件まとめ
以上のような思考回路で、
- 肉食
- 草食
- メガネ君
という3つのキャラクターのバランスを見ながら配置することが、カスタマーサクセス組織における人材マネジメントとしてポイントになるんじゃないか、と考えているわけです。
この3つの側面を一人称で満たせればいいのかもしれませんが、そんな人簡単に採れない。
なので組み合わせを考える必要がある。
もちろん、実際の人材は複雑で、純粋な「肉食」「草食」「メガネ君」もいない。「肉食寄りのメガネ君」みたいな。
でも考える観点としては、
超シンプルに「肉食」「草食」「メガネ君」という観点で、配置や採用、分担を考えることで、カスタマーサクセスの組織運営がしやすくなるんじゃないかなぁ、と思っている次第です。