頭の良い残念な人
昔、読んだエントリーでこんなのがありました。
世の中には、「頭の良い凡人」が数多くいる。私の経験では、大企業や役所、研究所や会計士などの士業の方々にも結構いたように思う。「頭の良い凡人」とは、次のような人々だ。・学歴は概ね良い。有名校を出ている人も多数。・話をすると鋭さや、頭の良さを感じる。・会社ではそこそこ出世するが、あくまでそこそこ。部門長やトップにはなれない。・世に聞こえるような突出した成果をあげているわけではない。
なぜ「頭が良い凡人」になってしまうのか。 | Books&Apps
ものすごく良い記事だと思っていて、心に刻んでいます。
頭の良い人は人当たりが良い。
記事でも触れていますが
「頭の良い人は、人当たりがキツイ。だから成功しない。」というのは、全然現実を見ていない。
漫画やドラマの世界のステレオタイプです。
むしろ、頭の良い人は、概して人当たりは良い。
なぜなら、周りの状況を正確に把握できたり、いわゆる「育ちの良い」人が多いからです。
状況が見えるから、相手の気持ちも一定わかるし、
そもそも「育ちの良い」人が多いから、性善説寄りで、悪人的な発想自体が弱い。
もちろん「ロジック一辺倒で他人を詰めまくり」みたいな段階を踏む人も多いです。
しかし、2年もすれば、ロジック一辺倒じゃ成果出ないことに気づいて改めることが多いように思います。
問題は、勇気がないこと
それよりも、頭の良い人が陥りがちな問題は「勇気が凡人」であることです。
これには2つ理由があって、
1つ目は、学校教育の中で失敗の経験が少ないため、失敗耐性がないこと。
2つ目は、頭の良さゆえに、やる前に色々なリスクが見えてしまうので、それを潰したくなること。
もちろん、勉強とかを努力した結果として、大きな失敗がないのはそれ自体素晴らしいことです。
しかし、その結果として、チャレンジする姿勢を失ってしまうと、大きな成果にはたどり着けない。
また、社会に出ると、色々なリスクを一つ一つ潰していくとまさに「石橋を叩いて渡る」状態になり、前に進めない。
それでは、特にビジネスの世界ではなかなか成功できません。
ビジネスでは、勇気を持った爆速が勝つ
以前勤めていた職場で、中途入社して2ヶ月ほどで5つくらい新サービスをローンチした人がいました。
まさに爆速。
ただ、商品設計とかはスピード相応に雑でした(笑)。ゆえにケチつけようと思えばつけられるので、「頭のいい人たち」から、やっかみやら文句は出てました。
でも数年後、彼女の作ったサービスは競合にない武器として、大きく成長しました。
今振り返ると、あのスピードで立ち上げたからこそ成立した武器だな、と誰もが思っています。
一度本人に「なんであんなスピードでできたの?」と聞いたことがあります。
答えはシンプル。
「だって、やるしかなかったから。もちろんわからないことだらけだった。でもやると決めたから。」
かっこよすぎる。
名誉のために言っておくと、彼女は「頭の良い」かつ「勇気のある」、突き抜けた成果を出せる方でした。
また一緒に仕事したいなぁ。
かくして、「頭の良い残念な人」が生まれる
「頭の良いが勇気のない人」は、こんなに爆速で走れないのです。
そうしている間に、「勇気がある人」にぶっちぎられる。
だけど、勇気がある進め方は、当然穴もあるから、批判はできる。
「アイツは、数字ばっか追いかけて無茶苦茶だ。全然考えてない、だって、アレとコレはこうやったほうが美しいじゃないか。」と批判できる。
結果として、批判するだけで自分は何も生み出さない「頭の良い残念な人」が生まれるわけです。
ベンチャー界隈にいるのもあって、そんなケースを、これまでたくさん見てきました。
役所とか伝統的大企業だと、比重がちょっと違うんでしょうけど。
特に、中途でベンチャーに飛び込んだ人に、「頭の良い残念な人」が多いように思います。
逆に、新卒でベンチャーに飛び込む人は、勇気が溢れるタイプが多いですよね。
それゆえに、新卒ベンチャー人材はハレーションを起こすことも多い(私もよく喧嘩する)のですが、
ああいう勇気自体は褒められるべきものだなぁ、と中途でベンチャーに入った人材として自戒を込めてよく思うのです。