ベンチャー・スタートアップで働く人も人事制度の仕組みをちゃんと理解した方がいい
コンサル時代、人事制度を作ったりする仕事もしていました。
そして、今、ベンチャー・スタートアップ界隈で働いていて思うことの一つは
「人事制度という仕組みに関する理解度のバラつきが大きい」
ということです。
「自分の会社の人事制度の理解」という意味ではなく、一般論として
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そもそも「人事制度」は、何のために存在して
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どういうパターンがあり
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運用にあたって気をつけるポイントは何な
みたいな、「そもそも論」に理解度に差が極めて大きいと感じています。
しかし、以下のような思考で、ベンチャー・スタートアップで働く人も人事制度の仕組みをちゃんと理解した方がいい、と思っています。
なぜ人事制度という仕組みの理解にバラツキがあるのか
なぜ、ベンチャーだと「人事制度という仕組みに関する理解度のバラつきが大きい」のか。
理由はシンプルで、「教わる機会がないから」だと思っています。
ベンチャー・スタートアップ界隈で育った方には信じられないかもしれませんが、
大きな会社や官公庁だと
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階層別研修
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新任管理者研修
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評価者研修
とかいう名前で、「係長になるまでに全員が受ける研修」「新任課長が一堂に会する合宿」みたいな教育プログラムがあることがあります。
ところが、恒常的に人が足りないベンチャーだと
そもそも人事制度も未成熟だし、評価者研修なんて存在しないところも多い。
そうなると、
- 自分で勉強したり、以前の職場で教育を受けた人 →人事制度の知識がある
- 純粋ベンチャー育ちで、自分で勉強しなかった人 →人事制度の仕組みをよく知らないまま働き続ける
ということになります
なぜ人事制度という仕組みを理解する必要があるのか
ではなぜ、人事制度という仕組みを理解する必要があるのか。
一言で言うと
「給与やポジションについてよくある『頑張ったのに!』的事象を高確率で回避できるから」です。
そもそも人事制度というのは、会社において「ヒト」というリソースを管理する仕組みの根幹でして、
最低限人事制度という仕組みを理解した上で、お作法に則った振る舞いをしないと
頑張ったのに上司に評価されない! 部下が思った方向に進んでくれない! 頑張った部下を昇格させてあげられなかった! マネージャーとして評価されない!
なんてことが起きるわけです。
人事制度の仕組みを知ることで、こんな不幸な事例を一定確率で回避できます。
少しだけ違う観点から補足をします。
人事制度の目的は、ものすごく大雑把にいうと以下あたりと説明されることが多いです。
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会社の目的・戦略の実現
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社員を正当に評価し、処遇 (お給料やポジション) するため
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社員の育成
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社員のリテンション
ここで「処遇(お給料やポジション)」を決めるのに人事制度が使われるというのがミソでして、
お給料やポジション・昇進が、多くの働く人にとって一定の関心事である以上
それを決める「人事制度」なるものについて多少は理解しておかないといけないわけです。
人事制度の「基本の型」「セオリー」を知れば失敗を回避できる
そして、人間の100年以上のトライ&エラーの歴史を踏まえて、
実は人事制度には「基本の型」「セオリー」のようなものがあり、それを理解できていれば「よくある失敗」を踏む確率が抜群に低くなります。
マネージャーはもちろん、評価される側であるメンバーも同じです。
そうである以上、組織の大小問わず、およそ組織人は多少は人事制度なるものについて勉強しておいたほうがいいと思うわけです。
人事じゃない人による、人事じゃない人のための、ゆるめの説明をしてみたい
とはいえ、人事制度に関する説明なんて世の中に溢れています。
でも、人事制度関係の本や情報って「人事部向け」のものが多い気がして、それが世の中の人事制度理解を妨げている気がします。なので、エントリー版として
- ゆるめに
- 人事じゃない人*1が
- 人事じゃない人のために
書いた人事制度に関する情報があってもいいんじゃないかなって思ってました。
というわけで、これからいくつか、人事制度関係の記事を書こうと思います。
<<このシリーズの目次>>
*1:実際は、人事じゃないけど一応人事制度作ったりしたことある人