B-log

コンサル→ベンチャー。ビジネス系のネタ。

手順とコツ・ミソ 〜大きく成長する瞬間はその両輪が回る

重要なことな気がするので、まとまらないけど書いてみました。
 

世の中には、ミソが抜けてる話か、ミソだけで背景がない話が多すぎる

 
世の中は、コンサルが書いたビジネス本に溢れています。
その本の多くは、MECE・ロジカルに書かれているので、大体正しい。
 
あるいは、
世の中で、成功した営業マンや経営者が書いた本にもあふれています。
これらの本の多くは、強烈な体験に基づいて、成功のミソにあふれている。
MECEじゃないかもしれないけど、これはこれで、真似しやすくて素敵。
 
MECE・ロジカル・手順
ミソ・コツ・tips
 
物事を習得するとき、この2つは一体不可分なのですが、片方だけに偏って語られることが多すぎる。
 

頑張っても、フォームを教わっても、走るのは速くならなかった。

私は小学生の頃、走るのが遅い子でした。
少しでも早くなろうと、4年生のとき陸上クラブに入りました。
 
たまたま陸上専門の先生がいて、教えてくれるのです。
「ヒジの角度はこう!
 モモの上げ方はこう!
 手は軽く握って。力抜いて。
 真ん中に軸を持って、
 スタートのときは前傾!
 xxメートルあたりで体起こして!」

みたいな。

でも正直、運動音痴な私のタイムはそんなに変わらなかった。

 

「あの木を見て走れ」で速くなった。

そんな私を見かねて、
運度神経バツグンで人望も厚い6年生のタクヤくんが声をかけてくれました。
 
「あの木をみて走るといいよ。」
 
これは効きました。
50メートルが確か1秒近く変わったと記憶しています。
 
そこからは不思議なもので習得は早く、なんとなく全体感を持って
「ヒジの角度はこう!
モモの上げ方はこう!・・」
のアドバイスが理解できて、中の下くらいまでは、走るの早くなりました。
 
 

大きく成長する瞬間は、「コツを会得する」瞬間。ロジカルでもMECEでもない。

ビジネスっぽい言葉遣いで行けば
ロジカルでMECEなアドバイスは、先生の
「ヒジの角度はこう!」
でしょう。
 
でも、それだけでは、うまくカラダは言うこと聞かないのです。
 
それより
「あの木をみて」
タクヤくんの方が、運動音痴には役立った。
 
たぶん、遠く正面を見ることで、軸やら姿勢やら、それに付随する手や脚の動きが改善されたのでしょう。
タクヤくんも、きっと私の軸がブレブレなのをみて、「あの木を見て」とアドバイスしたのだと思います。)
 
こういう「木を見て」的なもののを、コツとかミソとかカンドコロとかポイントと呼ばれます。
仕事でも、成長する瞬間というのは、
このコツを会得した瞬間であることが多い。
 
例えば、
「とりあえず『言いたいことは3つあります』と言え」
みたいなプレゼンのアドバイスと、理屈は一緒だと思います。
 

なのに、コンサルのフレームワークはロジカルベース

ところが、世に多くのビジネス本を出してるコンサルの人たちは、
どうしても、ロジカルにキレイにモノゴトをまとめてしまいがち。
 
もちろん、それは意味あることなのだけど、本当に大きく成長する瞬間というのは、ある程度手順を踏まえつつも、
「あの木を見ろ」みたいな、たった一つのコツを掴む瞬間であることの方が多いのです。
 
 

他方で、「コツ」だけでもだめ

他方で、「コツ」だけを説明した本もいっぱいあります。
 
例えば、本屋でセールスの棚に行くと
「No.1 営業マンは、聞き上手」
の隣に
「売りたければ、客な話は聞くな」
みたいな本が売られている。
 
そもそも「コツ」というのは、一定ロジカルに説明できるメカニズムを背景にした「習得の際のポイント」です。
ある局面では役に立つ。
しかし、ロジカルな手順やメカニズムを全く無視して、表層的な「コツ」だけ取り出して伝えて真似しても
うまくいかない人もたくさん出てくる。
 
なので、背景無視して全員に「コツ」だけ伝えてもだめ。
背景にあるロジカルな手順やメカニズムを、一定踏まえる必要があるのです。
 
 

手順とコツの両輪

かくして、手順とコツは、両方を意識しながらうまく抑えることが、本当の成長につながると思うのです。
 
元BCGシニア・ヴァイス・プレジデントで、ドリームインキュベータの立ち上げに関わり、堀紘一の右腕と言われた(らしい)古谷昇さんは、こんな感じで言っています。
思うに、人のあらゆる活動に関わるノウハウには、どうやら次の三つのレベルがあるといっていいだろう。
①意気込みでやる②手法、テクニック、知識でやる③コツでやる
このブログでは、手順とコツをバランスよく、まとめていきたいなぁ、と思っています。