日報から学びにつなげるたった1つのコツ
マネジメント・育成の観点から
メンバーに日報や週報という名前で振り返りを出させることは多いと思います。
それ自体はいいことで、実際、日報を活用して成長するメンバーもいる。
しかし、イケてない日報を書き続けて、成長もしないメンバーもよくいます。
世の中の惜しい日報
例えばこんな感じ
今日は、●●課長と商談に同行しました。一番感じたのは、課長と私の顧客志向の違いでした。私もより顧客志向を意識しなくては、と強く感じました。
惜しい。惜しい。
きっとすごく良い経験をしたんだと思うのですが、全然伝わらないし、
「本当にこれだけ」だったら、たぶん現実は何一つ変えられない。
劇的に改善させる、たった一つの問い「具体的には?」
では、どうするか。
たった一言
「具体的には?」
を納得するまで問い続ければいい。
上記であれば
「顧客志向」とは、具体的にはどういうこと?
→商品ではなく、お客さんのニーズをベースに話をしていた。
具体的に、どこでそう感じた?
→一言目。「今日はお時間ありがとうございます。せっかくお時間いただけたので、まずはなぜお問い合わせいただいたかという点を改めて簡単に伺っていいでしょうか?」と聞いていた。これで流れが決まった気がする。
「意識する」とは、具体的に何するの?
→一言目を意識する。
より具体的には?
→明日のXX様の商談で、とりあえず真似してみる。
ここまでやって、やっと成長につながる学びになる。
成長する若手というのは、文章化するかどうかはさておき、ほぼ例外なくこういうPDCAを、「やりきって」いる。
具体→抽象→具体の学びのプロセス
そもそも、経験をベースにした実際の良質な学び(≠知識)のプロセスは、多くの場合、具体→抽象→具体というプロセスをとります。
先ほどの例でいけば
①気づき「あ、課長の商談は一言目が私と違う」
最初の「気づき」は、超具体的。
②考察「ああ、これは顧客志向の現れだな」
考察・学びは、一回抽象的になる。
③ネクストアクション「明日のアノ商談で、このやり方を真似してみよう」
ネクストアクションは、具体的。
多くの人が自身の活動を文章化するとき、「②考察」だけ文章化する。
「①気づき」の瞬間を省くから、
個人や文脈が失われ、
その辺の本に書いてあるようなつまらない内容になる。(というか、その辺の本の方が当然ずっとよくまとまっているから、それ以下の内容になる)
「③ネクストアクション」を本気で具体的に詰めないから
実際の血となり肉となるような、学びに昇華できない。
「具体的には?」という問いは、この良質な学びのプロセスを強制的に想起させるミソだと思うのです。
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