カスタマーサクセスがサクッとわかった気になるおすすめ情報まとめ(無料&書籍)
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、主に月額課金系のビジネスで
顧客を成功に導く一連の活動や組織を指します。
SaaS・Web界隈で、ここ数年よく使われる概念です。なんとなく、ここ1-2年で、WebやIT系の人にとっては必修科目になった感があります。
自分もSaaS界隈の端っこに身を置く関係で、カスタマーサクセス周辺の仕事もしたことがあるのですが
「ネットでいい情報を探すのが大変。」
と思っていたことがあり、ふと、ライトなリンク集をまとめてみます。
<目次>
1.無料編
1-1.カスタマーサポートのことは嫌いでも、カスタマーサクセスは嫌いにならないでください
まず、超名作。
カスタマーサクセスの背景、概念から基本的なポイントをわかりやすく解説。
無料でこんな勉強させてもらっていいの?ってレベル感。「とりあえずこれ読んどけ」としてはとても十分。
商品企画や事業企画の方であれば、
- セールスアニマルになろう スタートアップ初期の営業戦略 (同じ作者のSlide Share)
- Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)
- バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る
あたりと一緒に読むと、とても理解が進む気がします。
1-2.逆説のカスタマーサクセス
「カスタマーサポートのことは嫌いでも〜〜」と同じマイクロソフト→東大の馬田さん作成のスライド。続編。
同じ方の情報を紹介する形になってしまいましたが、日本語で公開されている無料の情報だと、本当に、群を抜いて良質な情報だと感じます。
ちなみに、この方が書いた本はこれ。これも面白かったです。
1-3. The Essential Guide to Company-wide Customer Success
英語大丈夫な方はこれがおすすめ。
後述「青本」の著者がCEOを勤める会社で、カスタマーサクセスツールトップベンダーのGainshight社の体系的な考え方がわかります。自己診断ツール付。
個人的には、カスタマーサクセス(というかSaaS)界隈ってアメリカが色々先行している関係で、ちょっと英語しんどい人も頑張って英語読むだけで半年分くらいは情報優位に立てること多い気がします。
おまけ
こんなのも作りました。一番サクッと読めると思います。笑
2.書籍編
2-1.カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
- 作者: ニック・メータ,ダン・スタインマン,リンカーン・マーフィー,バーチャレクス・コンサルティング
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/06/06
- メディア: 単行本
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問答無用の一冊目。
カスタマーサクセス界隈では「青本」とも呼ばれる。必読書。
2018年まで翻訳がなくて、この翻訳が出た時、一気にカスタマーサクセスのコンセプトが、実務レベルで浸透したイメージがあります。
「10の原則」でまとめられているので、自分のビジネスに適用するときのチェックリストっぽく使えるのもポイント。
(追記)逐条解説&紹介を書いてみました
2-2.カスタマーサクセスとは何か
カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
- 作者: 弘子ラザヴィ
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2019/07/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これも必読。「青本」に対して「赤本」と呼ばれる本です。
「青本」がアメリカで書かれた本の翻訳なのに対して、「赤本」は日本で書かれた本です。
「〜とは何か」系の本って、抽象的なことも多いですが、この本は実務的に使える知見にあふれています。事例も日本だし。特に第2章の「カスタマーサクセスとはいったい何か」あたりは、実務的示唆にあふれ、参考になる部分多いのではないかと思います。
2-3.the MODEL
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
- 作者: 福田康隆
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2019/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これも問答無用系の必読書。
SaaSにおけるマーケティング〜インサイドセールス〜セールス〜カスタマーサクセスという、一連のプロセスのエッセンスがギュッと詰まった本。
カスタマーサクセスの前行程などに広げて全体像を理解したい人は必読。
2-4.サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
- 作者: ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート,桑野順一郎,御立英史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本の著者はZuoraという会社の創業者。
Zuoraという会社は、カスタマーサクセスをサポートするSaaSを提供している会社です。
そういう(カスタマーサクセスが流行ると儲かる)バックグラウンドだと、「自分のビジネスの宣伝でしょ」と捉えられるかもしれませんが、中身は面白いです。
読んだ人の間で盛り上がったのが、ギターメーカー「フェンダー」の事例。
カスタマーサクセスの事例は、正直SaaSとかWeb界隈が多い中で、市場が縮小傾向にあったギターメーカーがオンライン教育動画サービスを提供して・・と、月額課金ビジネスへと変貌していく事例は、Webとかベンチャーからちょっと遠い人たちにも、良いインスピレーションを与えると思う。
あとは、サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方とかもありますが、個人的にはこっちの「サブスクリプション」の方が好き。
2-5.CRM―顧客はそこにいる
- 作者: 村山徹,三谷宏治,アクセンチュア,CRMグループ,戦略グループ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2001/07/01
- メディア: 単行本
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敢えて2001年と古い本。
カスタマーサクセス以前に流行った概念”CRM”について、日本語で書かれた良書。
流行りの概念は、一つ前の概念と比べて理解するのがポイントだと思うのですが、この本は、CRMとカスタマーサクセスの差分を理解するという意味でもおすすめ。
3.終わりに
ここ数年で、「カスタマーサクセス」というワードを耳にする機会がグッと増えた気がします。
加えて、「青本」の翻訳出版により、月額課金の(もしくは月額課金にしたいと考えている)事業に身を置いていると、この辺は「もはや必修科目でしょ」って感があります。
現に、元々はその道のプロではない私も、+αの勉強と多少の実戦機会に恵まれています。
その割に、ネット上で良質な情報にたどり着くのが難しい気がしてまとめてみました。