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インサイドセールスの立ち上げ・運営の基本となる3つの役割・やり方

インサイドセールス」という組織が日本でもだいぶ一般的になってきました。
コロナ禍の影響もあり、インサイドセールス機能の立ち上げや作り直しを会社から求められている方も多いと思います。

 

 ↑の本で、とても綺麗に整理されているのですが、

インサイドセールスの果たす役割・やり方について、
まずは以下3つを基本として理解するのがわかりやすいと思っています。
  • もらったリードを商談化する
  • リード・商談をゼロから作る
  • 商談を受注まで持っていく
以下詳述していきます。
 

機能-1:もらったリードを商談化する

インサイドセールス」が一般的になった背景はいくつかあるのですが、その一つが超名著"THE MODEL"の中で標準的な組織分業の一つとして「インサイドセールス」が語られたことがあると思います。
THE MODELの中で、インサイドセールスは「もらったリード(見込み顧客)を商談化する組織」として位置付けられます。
じゃあ、そのリードは誰が作るのかというと、マーケティング。作った商談を誰が受け取るのかというと、フィールドセールス。
 
すなわち
マーケティング: ウェブ広告・展示会・メール・DMなどの手段でリード(見込み客)のリストを作る
インサイドセールス: マーケが作ったリードに電話して、商談化する(アポを切る)
フィールドセールス: 商談して受注する
カスタマーサクセス: 受注した顧客を継続させ、LTVを最大化させる 
という4つの組織の分業体制により、営業組織全体を効率的に運用しよう、というのがTHE MODELの考え方です。
※実際は「インサイドセールスは商談供給の調整弁」とか、もっと深く色々なことが語られているのですが、一般的な理解としては上記くらい。
 
この意味でのインサイドセールスは、マーケがつくったリードをベースに動くので「反響型(インバウンド型)」です。SDR(Sales Development Representative)なんても呼ばれたりします。
 
多くの組織で採用されているTHE MODELですが、「インサイドセールス」という組織の機能がわかりにくくなっている理由の一端もここにあります。
というのも、そもそも「インサイドセールス」という言葉は、直訳すればただの「内勤営業」です。この使い方自体は元の意味に照らして間違えじゃない。
ただそこに、THE MODELは「インサイドセールス」をマーケが作ったリードを商談化する組織として定義した。
 
つまり、インサイドセールスについて
 原義:内勤営業
 THE MODELl:リードを商談化する組織
というズレ(それぞれ間違えじゃない)が生まれたわけです。
ここに無自覚的に情報をインプットしたり会話をすると、混乱が生じるということです。
  

機能-2 :リード・商談をゼロから作る

上述の通り、THE MODELにおけるインサイドセールスは、マーケが作ったリードを受け取って、商談化する組織です。
 
ただ、実際にはリードを作るところからやるインサイドセールスもいます。
 
教科書的には、大企業をターゲットに行われることが多いとされ、BDR(Business Development Representative)なんて呼ばれたりします。
 
そんな横文字の名前とか理屈もあるのですが、
シンプルに「リード(もしくは商談機会)を作る」とか「アウトバウンド型」のインサイドセールスもある、と考えるのが個人的には分かりやすいと思います。
(アウトバウンド:頼まれなくてもこっちから電話をかけるという意味。逆に向こうから資料請求が来たものに反響型で対応するのがインバウンド。)
というのも、「リードを作る」「アウトバウンド型」インサイドセールスは、世の中を見ると大企業対象以外でもたくさん成立していると思うからです。
 
そもそも、リードを作るインサイドセールスのターゲットが大企業だと言われるのは、
  • ターゲットであることが明確に認識しやすい
  • 調べれば連絡先がわかる
  • アウトバウンドというコストをかけてもペイする
あたりの条件が大企業で満たされることが多いからだと思います。
逆にいえば、上記条件を満たすならアウトバウンド型でリードを作るインサイドセールスが成立するわけです。
 
特にこれが顕著なのが、業界特化型SaaS(バーチカルSaaS)です。
例えば、医療や介護のような業界を対象としているビジネスであれば、
  • 規制業界なので、詳しい情報が監督官庁からネットで公開されていてリスト化できる。従業員数とかも。なのでターゲットであることが認識できる。
  • もちろん電話番号も一緒に。
  • 以上からターゲットに辿り着く率がめっちゃ高いので、アウトバウンドでもペイしやすい。
という感じです。
リードがなくても、めっちゃ精度の高いリストが最初からあるわけです。
雑に言えば 「リストあるんだから上から電話かけちゃえよ」って話ですね。業界特化型ビジネスって陣取り合戦の要素が強いこと多いってのも影響してるかもしれません。
 
(さらにいうと、個人的には日本で大企業向けの電話だけのBDRってあんまり上手くいくイメージないんですよね。大企業の決裁権者って、コールドコール(なんのツテもない電話)でそんな簡単に繋げらるんですかね?それより紹介とか、イベントで名刺もらうとか、名前情報だけ手に入れたら手書きで手紙送るとか、そういうマーケ仕掛けていく方が上手くイメージある。私が少数派なのかもしれませんが。この辺はABM(Account Based Marketing)って概念で色々語られています。)
 
そんなこんなで、「リードを作る」インサイドセールスも存在します。そんなインサイドセールスは、リストが作りやすい環境下で成立しやすい
 

機能-3:商談を受注まで持っていく

最後の機能は「商談を受注まで持っていく」です。クロージングまでやる。
 
そもそも、受注するために訪問するのなんて必須じゃないわけです。低コストな方法で受注できた方がいいに決まってる。
 
元々日本では、toC向けなどでクロージングまでやる電話営業が存在していたことに加え、ベルフェイスという素敵な国産ツールが存在したこともあって、「内勤だけどクロージングまでやる」組織は、意外と多かった気がします。
 
ここにコロナ禍という事情が加わって、「クロージングまでするインサイドセールス」がさらに増えた気がします(呼び名はさておき)。
特にコロナの影響でインサイドセールスを検討するときは、セールスパーソンを異動して組織を作るわけですので、能力的にはクロージングまでできる人間が揃っているはずですし、逆にそういう人はクロージングまでさせないと飽ちゃうって話もあると思います。
この役割のインサイドセールスはOnline Salesと呼ばれたりします。
 
そんなこんなで、受注までやるインサイドセールスも存在します。
 

インサイドセールスの3つの機能・やり方

というわけで、インサイドセールスについて(ちょっと順番を入れ替えて説明すると)
  • リード(見込み客リスト)・商談をゼロから作る
  • もらったリードを商談化する
  • 商談を受注まで持っていく
という3つの基本機能をまず頭に入れる、というのはとても大切だと思うのです。
 
インサイドセールスの良質な情報は世の中に多いし、日々最新の理論がアップデートされていく印象を受けます。
例えば、求められる人材像とか人材育成の方法とか、オペレーションの重要ポイントとか、良質な情報が多い。ただ、それら最新情報をインプットする前段の話として、なるべく基本的な機能という観点で、インサイドセールスをシンプルに理解しておくことが大切だと思うのです。
 
BDRとかSDRとかABMとか、新しい横文字カッコイイし、何か知らないと恥ずかしい気もするんですが、上記くらいシンプルに考えてもいいんじゃないかなと思う次第です。
 

お勧め書籍

というわけで、本格的なインプットには以下もどうぞ。