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コンサル→ベンチャー。ビジネス系のネタ。

高い目標を絶対達成する人は「1件1件をみる」

 

商品企画やマーケティング、ちょっとしたプロダクトオーナーの仕事も結構やってきました。
前年比1.5倍!2倍!いや3倍だー!みたいな目標も、多少はやってきました。
 
1.5倍とか3倍いう目標だと、今の延長線上には答えがないことが多いので、戦略から大きく見直したりして、どうにか達成しようと頑張ります。
いろいろやる中で気づいた共通原則の一つは、(戦略を見直したりもするんだけど)
「絶対達成する人は『1件1件自分で見る』というオプションを持っている」
です。
 

戦略の正しさは前提

そもそも、これだけ情報が氾濫する時代で、マーケティング戦略とか方向性のゆるい意味での正しさというのは、前提に近いです。
 
超イケてる戦略というのはそんなに出くわさないけど、「大きく間違ってなさそうな戦略」なら大体誰でもたどり着く
 
じゃ、何で差がつくのか。シンプルに実行能力です。
 

仕組みは大切。でも仕組みだけじゃ勝てない。

仕組みは大切

実行能力の構成要素は、シンプルにいうと「オペレーション」と「人材」です。
戦略だけでは差別化が難しいので、オペレーションや人材(狭い意味での人材に加えて組織や日々のマネジメント)設計までできるマーケターはやっぱり強い。
 
そして、オペレーションや人材の問題は
「仕組みで解決する」
というのが定石。ここくらいまでは共通認識だと思います。
 

でも、仕組みだけではダメ

ただ、「仕組みを構築してもうまくいかないケース」を実務上はたくさん見てきました。
 
仕組みが良いのに売れないケース
例えば、セールス戦略を大きく変えて、ターゲットを変えて前年比2倍の成果を狙うマーケティング戦略を立てる。
それにあたっては、定量・定性面から膨大な仮説検証をして、新しいSTPにしたがって、WebマーケティングのワードやLPを変える、それに合わせて営業資料を変える。SFAの入力フォームも変える。
 
でも、売れない。
 
そういうプロダクトオーナーは、大体、商談を「1件1件」ちゃんと見ていない。
「いやいや、俺は見ている」という人も多いと思います。
でも、セールスからの二次情報に頼ってませんか?20件くらいしか見てないんじゃないですか?
 

突き抜ける人は一つ一つみる

本当に突き抜けた成果を出す人は、100件くらいだったら全部自分でディレクションすることができる。
一つ一つちゃんと見に行くから、仕組みに設計者の魂が篭る。
なので、仕組みの設計が多少甘くても、趣旨通りに運用される。
そもそも、完璧な仕組みの構築なんて無理なんだから、魂を吹き込むことの方が、ずっと大事。
 

一つ一つ見ると戦略も磨かれる

そして、少し逆説的ですが一つ一つ細かく見た方が、大きな戦略も良くなることが多いです。
 
これは2つパターンがあります。
 
1つ目は、自分自身が一次情報に触れる中で「あれ、これは想定していなかったな」みたいな気づきが生まれ、そこから拡大して戦略が修正されるケースです。
最初は「あれ」という小さな違和感から、もう一度データを見直してみて「やっぱり」という確信に変わり、戦略修正してやってみたら成果が出て「よっしゃ」となる過程は、ミクロからマクロが繋がる瞬間で、めちゃくちゃ楽しい瞬間でもあります。
 
2つ目は、現場からのフィードバックの精度が上がるケースです。
一つ一つ見るということは、現場との対話に他なりません。
「これはどうなってるの?」の問いから
「なるほど、今回の施策はこういう目的だから、こういう時はこうしていいよ」
「確かに、こういうケースは想定できていなかったね。ちょっとルール修正するね。」
といった風な会話が積み重ねられていくことになります。
これをやっていくうち、戦略の背景にある意図や論理構造が、なんとなく現場にも憑依していきます。
また、「この人は、是々非々で成果を求めている」ということが現場に伝わるようになります。
背景や意図が伝わると、現場と「戦略にとって重要なインプット」の判断軸が揃います。
「是々非々で成果を求めている」ことが伝わると、必要な情報を物怖じせずにあげてくれるようになります
 
こうなってくると、戦略のPDCAの速度・精度が上がり、成果は雪だるま式に増えていきます。
 
 

マクロとミクロを行った来たりする

もちろん、シニアマネージャーになって、自分で全部マイクロマネジメントするのは問題です。というか無理です。
 
ただ、最後の最後、現実を動かすのは1件1件の商談の積み重ねでしかない。
とはいえ、1件1件の徹底は、仕組みだけでは実際は限界があるので、ミドルマネージャーを活用して魂を吹き込まなくてはならない。
 
また、1件1件の商談を指導する営業マネージャーに「そうじゃなくて、仕組みとしてさ・・」みたいな愚痴を言う管理サイドの人がたまにいます。
でも、管理・事業両方やってきている身としては「確かに仕組みは大切。でも、1件1件徹底されていく泥臭い工程も同じくらい大切。」だと思うのです。さらに言うと、100商談くらいまでは「1件1件徹底」だけでどうにかなると思っています。
 
マクロに分析して、最後はミクロで1件1件見る。
そのあとは、マクロとミクロを自在に行ったり来たりする。
 
最後は、1件1件見られる人が、本当は強いと思うのです。
 

 

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