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「1on1で話すことがない」へのシンプルな解決策

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日常のマネジメントの仕組みとして1on1を取り入れている企業は増えましたが、 「1on1で話すことがない」というのは、大変よく見る「あるある」です。
教科書的には「1on1は、部下の時間」であり、「部下がアジェンダ設定する」のが原則です。

が、部下からすると「何を話したら良いかわからない」と。それどころか「話すことなくて苦痛だ」と。笑

そこでおすすめしているのは

  • ①今週やったこと
  • ②その中で思ったことや困ったこと
  • ③来週やる予定のこと

だけを部下に一覧化しておいてもらうやり方です。

 

 

「1on1で話すことがない」のはどんな人か

そもそも、ある程度自立している人材であれば、部下側が自分で1on1のアジェンダを設定できるはずです。

例えば、自立した管理職同士(課長と部長)の1on1で「話すことがなくて困ってる」って場面は想像つかないですよね。

なので、「1on1で話すことがない」に対する処方箋は、ちょっとジュニアなメンバーを前提に組み立てなくてはならない。

そう考えると、「話したいことなんでもいいんだよ」とオープンに投げすぎるのはあまり良くない。多分うまくアジェンダ設定できない。

じゃあ、「例えば、こういうことを話して欲しい」と具体例を示せば良いかというと、実はいまいち。なぜなら、ジュニアなメンバーに具体例を示すとそれに引っ張られてしまい、本人が本当に話したいことが話せないリスクがあるから。

 

「やったこと」「思ったこと」「次やること」を書く

「やったこと」は誰でも書けるし中立

でも、「今週やったこと」なら誰でも書けるし、事実なので中立。

それに加えて、やったことがあれば「思ったこと/困ったこと」ひとつくらいかけるものです。
思ったことの記載があれば、部下がどんなこと考えているかの相互理解になる。そして、「来週やること」があれば、懸念を先に潰すことができる。

 

ポイントは、1on1のアジェンダそのものではなく、アジェンダ選定の元になる事実(と本人の主観である感想)だけを簡単に書いてもらうということです。

やったこと/これからやることの一覧を二人で眺めながら「何から話す?」「どれ大変だった?」とかってアジェンダ選定から始めると、割とうまく話が弾みやすくなると思います。

「これ大変だったよね。お疲れ様でした。」と大変だった今週の業務への感謝から始まるのもよいと思います。(1on1のアジェンダがうまく引き出せないケースは、上司側もこういう雑談が得意でないケースが少なくないと思います。)

 

「来週やること」があるので行動で終われる

また、1on1の原則の一つに「最後は行動で終わる」というのがあります。

これが意外と難しいのですが、「来週やること」の欄があれば、半ば強制的に来週の行動で1on1が終わるようになります。

また、ログ的に同じファイルで管理していけば1on1で「来週やること」は翌週の「今週やったこと」に入ってくるはずなので、差分のチェックも用意になります。

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フォーマットは表か箇条書きのイメージで、どちらでもいい

 

中期はいったん捨てる

このフォーマットは「今週」「来週」をベースにしているので、中期での会話はしにくいです。

が、それはいったん意識的に捨てています。

なぜなら、「1on1でアジェンダ設定できない」ジュニアなメンバーについては、まず目の前の業務をスムーズに進めてもらうことが大切だと思うからです。

中期的な話は、目標設定面談とかでちゃんとやっておく。その上で、日常の1on1で「今日時間余ったから、目標設定シートちょっと見てみようか」たまに触れたりするのもいいと思います。

 

1on1というのは、基本的にいい仕組みだと思うのですが、上司も部下もそれなりに苦労しながら運用しているのも実態だと思います。

なるべく汎用的かつ具体的な解決策として「やったこと」「思ったこと」「来週やること」を一覧化する、というのが良いと思っています。