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「嫌われる勇気」を仕事に活かせる4冊|アドラー心理学

 

嫌われる勇気

言わずと知れたベストセラー「嫌われる勇気」は、
心理学の三大巨頭の一人であるアドラーの心理学を対話形式で紹介した名著です。
 
キャッチーなネーミングだけでなく、内容もとても面白く分かりやすい本だと思うのですが、ビジネスパーソンが仕事に活かそうとすると、ちょっと工夫が必要な気もします。
 
例えば、「第四夜 対人関係のゴールは共同体感覚」では
『自分のことを「行為」レベルで考えず、まずは「存在」のレベルで受け入れていく』
というコンセプトが示されるのですが、ありのままの自分を受け入れちゃって、この競争社会、会社員人生大丈夫なんだっけ?部下への注意しなくちゃいけない場面は具体的にどうしたらいいんだっけ?とか。
 
そこで、「嫌われる勇気」と日々の仕事の間を埋めるのに役立ちそうな本をご紹介します。
 

もしアドラーが上司だったら

名前の通りの本です。
自分が上司の立場の人にも、部下の立場の人にもおすすめ。
 
「嫌われる勇気」は会話形式・物語形式で書かれていますが、
「もしアドラーが上司だったら」も、日本の会社を舞台にした物語形式で書かれています。
 
文体・ストーリー的にも、「嫌われる勇気」よりずっと平易だと思います。
 
なので、「普段あまり本を読まないけど『嫌われる勇気』は読んでみた」という人には特におすすめ。
もちろん、それ以外の人も軽く読めるのでおすすめです。
 
平易なだけでなく、例えば
  • 仕事の中での「課題の分離」とは具体的にどういうことか
  • 「共同体感覚」を仕事の中でどう醸成するか
  • 「行為ではなく存在レベルで受け入れる」と目先のビジネスをどう両立するか
といった課題に対して具体例が示されており、日々の業務に役立つと思います。
 

なぜ人と組織は変われないのか

組織・人材改革についての堅めの名著です。
組織・人材マネジメント理論との繋ぎという観点からの紹介です。
 
この本のメイン主張の一つを大雑把に意訳すると
人と組織はなぜ変われないのか。それは、実は変わりたくないからだ。

です。

ここに、「原因論ではなく、目的論」というアドラー心理学の転換と似た構造を読み取れます。
 
「嫌われる勇気」の後に読むと、
  • アドラー心理学的な考え方を会社の組織改革という大きい枠組みの中でどう取り入れていくか
  • アドラー心理学的な考え方をビジネス理論にどう組み込んでいくか
と発想を展開していく触媒として大活躍する一冊だと思います。
 
そもそも、この本自体が(それなりに厚め・難しめにもかかわらず)組織・人材マネジメント領域のベストセラーですので、アドラー云々にかかわらず単体でも大変有意義な一冊です。
 

7つの習慣」「人を動かす」

そもそもアドラーが最近日本で広く話題になった理由の一つは、
日本でも広く親しまれている「人を動かす」のD.カーネギー、「7つの習慣」のスティーブン・R・コヴィーらに影響を与えた「自己啓発の源流」とアドラーが言われる点が大きく影響していると思います。
 
だったら、「嫌われる勇気」の後に、
「人を動かす」「7つの習慣」を読んでみれば理解が深まるじゃん、という。
 
この2冊は元々国内外のビジネスパーソンに広く親しまれている本ですので、実際の仕事への繋ぎとしては大変役に立つと思います。
 
 

 
「嫌われる勇気」は、キャッチーなネーミングだけでなく、内容も充実していて、出版から10年近くが経っても未だにamazonで上位にランクインし続けています。
他方で、「昔読んだけど、実際何か変わったっけ?」「改めて読んでみたけど、明日から何か変わるんだっけ?」という方もいる気がします。そんな時、今回ご紹介したような本を読むのもアリなのではないかと思います。