この記事の内容
良いマニュアルを決めるたった3つの要素
仕事をしていると、引き継ぎなど様々な場面で「マニュアル」と呼ばれるものに、ちょくちょく出くわすと思います。
オペレーションを含むコンサルをしていると色々な会社の「マニュアル」を見る機会があるのですが、良いマニュアルと悪いマニュアルが如実にある。
これを分ける要素は、たった3つだと思っています。
すなわち、
- わかる
- 探せる
- 更新しやすい
たったこれだけ。
要素その1:わかる
業務マニュアルは、理解できるものでなくてはなりません。
目的に照らして、当然です。
しかし、実務上はこれを満たしていないマニュアルが山ほどあるのです。
例えば、
とりあえず業務フローで図示していて「なんかいい感じ」だけど、業務フローの記述ルールがめちゃくちゃなケース。
結局手順が全然わからない。
そもそも業務フローって、見慣れない人には難解極まりない。わけわからんフローで描かれるなら、文字いっぱいで箇条書きにでもしてくれた方がよっぽどマシです。
要素その2:探せる
そもそも、業務マニュアルは(多くの作り手の意図に反して)、最初から最後まで通読されることはほとんどありません。
あったとしても、せいぜい引き継ぎのタイミングで一回ザクっと読まれるだけです。
あとは実務の局面局面で
「あれ、これってどうやるんだっけ?」と、該当箇所だけを読む使い方の方が圧倒的に多い。
マニュアルは、字引きとして使われることの方が多い。
なので、良いマニュアルは必要な箇所を「探せる」ことが必須です。
そのため、目次や見出しに工夫はもちろん、
業務を発生サイクル(毎日やること/月サイクルで月初にやること とか)ごとにまとめるなどの工夫が、必要になります。
要素その3:更新しやすい
「業務は、時間の経過を経て変化する」
これは、マニュアル作成者が忘れがちな現実です。
業務は変化するので、マニュアルは常に更新され続ける必要があります。
更新しにくいマニュアルは
更新しにくい→更新されない→内容が古くなる→使われない というループに陥ります。
結果、最初はどんなに良い内容でも「役に立たない」マニュアルになります。
具体的に「更新しやすい」には2つ種類があります。
①更新必要箇所が、すぐ探せる
これは要素その2「探せる」と基本的に同義です。
一つのことに関する記載が、一箇所にまとめてあると、よりベターです。
②誰でも更新できるツール・やり方で作られている
これは実務で見落とされがちな要素です。
あるいは、凝った「お絵かき」をしても、後続の人はいじりにくい。
結果として、後続の人が更新してくれない、なんて残念なマニュアルをよく見ます。
3つをいいバランスで、実現させる
ここで難しいのが
要素その1:わかる
要素その3:更新しやすい
が、ある局面では、トレードオフになりがちだということです。
そして、実務上は「わかる」が重要視されすぎるので、
「わかる」を追求しすぎて、細かい記述や図解に寄りすぎて、「更新しにくい」マニュアルがよく見られます。
これを正しくやり切るノウハウは、色々あるのですが
まぁ、実際は「いいバランスで」くらいに考えておく、というのが現実解だと思います。
何れにせよ、マニュアルは「わかる」だけでは使われません。
「探せる」「更新しやすい」を意識して作成されるべき、というのが持論です。
- 作者: 日本能率協会コンサルティング
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2010/02/17
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (1件) を見る